「青色って、どうやって作るんだろう?」と思ったことはありませんか?実は絵の具で青を作る方法は意外と奥が深いんです。市販の青色絵の具をそのまま使うのも良いですが、自分で色を調合して理想の青を作り出せたら、絵画の表現の幅がグッと広がりますよね。今日は絵の具で青を作るための基本から応用まで、私が長年の趣味で培った知識をもとにご紹介します。この記事を読めば、あなたも素敵な青色を自在に操れるようになりますよ!
絵の具における青色の基本知識
青色って不思議な色なんですよね。空や海を思い浮かべると、同じ「青」でも全然違う印象を受けます。これは青にもたくさんの種類があるからなんです。
絵の具の世界では、青色は基本色として扱われることが多いです。特に三原色(赤・青・黄)の一つとして、他の色を作るときの基礎になります。でも、「じゃあ青そのものはどうやって作るの?」という疑問が湧いてきますよね。
実は、純粋な青色は基本的に単体の顔料から作られることが多いんです。例えば、ウルトラマリンブルーやコバルトブルー、フタロブルーなどは、それぞれ異なる鉱物や化学物質から作られた青色顔料です。だから、厳密には「ゼロから青を作る」というより、「様々な青を組み合わせて理想の青を作る」という考え方のほうが正確かもしれません。
とはいえ、手持ちの絵の具で青っぽい色を作ることは十分可能です!これから具体的な方法をお伝えしますね。
絵の具で青を作る基本的な方法
青色を一から作るのはちょっと難しいんですが、青っぽい色なら作れます。まずは基本的な方法からご紹介します。
緑と紫を混ぜる方法
手元に青がなくても、緑と紫があれば青っぽい色を作ることができます。緑には青が含まれていて、紫にも青が含まれています。この二つを混ぜると、共通成分である青が強調されるわけです。
ただ、完全に純粋な青にはならず、少しくすんだ青になることが多いです。でも風景画などでは、こういう複雑な青のほうが自然な印象になることもあるんですよ。
私が子どもの頃、絵の具セットの青がなくなってしまったとき、先生に教えてもらったのがこの方法でした。当時は「えっ、そんなことできるの!?」とびっくりしたのを覚えています。
シアンとマゼンタを混ぜる方法
印刷でよく使われるCMYK色空間の知識を借りると、シアン(水色)とマゼンタ(赤紫)を混ぜることで青に近い色を作れます。シアンが多めでマゼンタを少し足すと、鮮やかな青色になります。
この方法は特にアクリル絵の具や水彩絵の具で効果的です。シアンとマゼンタの配合比を変えることで、青紫から青緑までの幅広い青のバリエーションを作れるのが魅力ですね。
友人の画家が「青は買わなくていい、シアンとマゼンタで十分だ」と言っていたのが印象的でした。プロでもこの混色テクニックを活用しているんですね。
より深みのある青を作るテクニック
基本的な方法を押さえたところで、もう少し深みのある青を作るテクニックをご紹介します。
黒を少量加える方法
青っぽい色に黒を少量加えると、深海のような深みのある青になります。ただし、黒の量は本当に少しにしないと、あっという間に暗くなりすぎてしまうので注意が必要です。
筆の先に黒をちょっとだけつけて、青の中で混ぜるくらいの感覚がちょうどいいです。これで夜空や深海を表現するときの青が作れますよ。
あ、でもその前に言っておきたいのは、黒を加えるときは必ず少しずつ足していくことです。一度暗くなりすぎた青を明るくするのは難しいので、慎重に行いましょう。
補色を使って彩度を調整する
青の補色はオレンジです。青っぽい色にほんの少しだけオレンジや茶色を加えると、彩度が下がって落ち着いた青になります。これは風景画の空や水面を描くときにとても役立つテクニックです。
なんか不思議なんですけど、補色を少し加えることで色が「生きた感じ」になるんですよね。完全に純粋な青よりも、ちょっとだけ複雑な青のほうが自然に見えることが多いです。
私が風景画を描いていたとき、空の青がどうしても人工的に見えて悩んでいました。そのとき画材店の店主さんに教えてもらったのがこの方法で、目から鱗が落ちる思いでしたね。
絵の具の種類別!青の作り方の違い
絵の具の種類によって、青の作り方や出来上がりの印象が変わってきます。ここでは主な絵の具別の特徴をご紹介します。
水彩絵の具での青の作り方
水彩絵の具は透明感があるので、青を作るときもその特性を生かすと良いでしょう。水彩では層を重ねる技法(グレージング)が効果的です。例えば、薄い青紫の上に薄い青緑を重ねると、複雑で深みのある青になります。
水彩絵の具の場合、乾くと色が少し明るくなる特性があるので、作りたい青よりも少し濃いめに調合するのがコツです。あと、水の量で透明度を調整できるのも水彩ならではの特徴ですね。
水彩画を習っていたとき、先生が「青は一度に作らず、重ねて作るものだよ」と言っていたのが今でも心に残っています。確かに一気に作るより、少しずつ重ねたほうが奥行きのある青になりますね。
アクリル絵の具での青の作り方
アクリル絵の具は乾くと色が少し暗くなる傾向があります。そのため、青を作るときは少し明るめに調合しておくと良いでしょう。また、アクリル絵の具は乾燥が早いので、調合した青は少し多めに作っておくと途中で色が足りなくなる心配がありません。
アクリル絵の具の場合、白を加えると不透明な青になり、メディウムを加えると透明感のある青になります。作品のイメージに合わせて調整してみてください。
私がアクリル画を始めたばかりのとき、水彩と同じ感覚で色を作ってしまい、乾いたら暗すぎる青になってしまったことがあります。経験から学ぶことって多いですよね。
油絵の具での青の作り方
油絵の具は乾燥に時間がかかるので、じっくりと色を調整できるのが特徴です。また、層を重ねることで深みのある青を表現できます。
油絵の具の青は特に種類が豊富で、ウルトラマリンブルー、コバルトブルー、セルリアンブルーなど、それぞれ特性が異なります。これらを組み合わせることで、様々な青のニュアンスを作り出せます。
油絵の場合、下地の色も最終的な青の見え方に影響します。白い下地の上に青を塗ると明るく鮮やかに、暗い下地の上に塗ると深みのある青になりますよ。
青の色相別の作り方
青といっても、青緑から青紫まで様々な色相があります。ここでは代表的な青の色相の作り方をご紹介します。
青緑(ターコイズ)の作り方
青緑は、青に黄色または緑を少量加えることで作れます。鮮やかなターコイズブルーを作りたい場合は、シアンに少量の黄色を加えるのが効果的です。
青緑は海や熱帯の海を連想させる色で、夏らしい爽やかな印象を与えます。絵の中で使うと、明るく開放的な雰囲気を作り出せますよ。
カリブ海の写真を見ながら絵を描いていたとき、あの独特の青緑色を出すのに苦労しました。結局、フタロブルーに少量のイエローを加えることで近い色が作れましたね。色って本当に奥が深いです。
群青色の作り方
群青色は日本の伝統的な青で、少し紫がかった深い青です。ウルトラマリンブルーに近い色ですが、手持ちの絵の具で作る場合は、青にほんの少しマゼンタ(赤紫)を加えると近い色になります。
群青色は夜空や深い海を表現するのに適しています。少し黒を加えると、さらに深みが増しますよ。
日本画の展覧会で見た群青色の美しさに感動して、自分でも作れないかと試行錯誤したことがあります。なかなか同じ色は作れませんでしたが、その過程で色の調合の面白さに目覚めましたね。
コバルトブルーの作り方
コバルトブルーは中間的な青で、空を表現するのに適しています。手持ちの絵の具で近い色を作るなら、青に少量の白と極少量の赤を加えると、コバルトブルーに近い色合いになります。
コバルトブルーは彩度が高すぎず、暗すぎない青なので、風景画でよく使われます。空や水面を描くときに重宝する色ですね。
晴れた日に空を見上げながら「この青をどう表現しよう」と考えるのは、絵を描く人の醍醐味かもしれません。コバルトブルーはそんな空の青に最も近い色の一つだと思います。
青を作るときの注意点とコツ
最後に、青を作るときの注意点とコツをいくつかご紹介します。
混色による色の濁りを防ぐ方法
色を混ぜれば混ぜるほど、どうしても色が濁ってくる傾向があります。特に補色関係にある色を混ぜると顕著です。青を作るときも、あまり多くの色を混ぜないようにするのがコツです。
もし色が濁ってしまったら、白を少し加えて明度を上げるか、同系色を足して彩度を上げると改善することがあります。
あるとき、いろんな色を混ぜて「完璧な青」を作ろうとして、結局グレーっぽい色になってしまったことがあります。それ以来、「シンプルに考える」ことを心がけるようになりましたね。
色の記録を取る習慣
理想の青を作れたら、その配合比をメモしておくことをおすすめします。小さな紙に実際の色を塗って、使った色と割合を書いておくと、次回同じ色を作りたいときに便利です。
私は小さなノートを「色見本帳」として使っています。特にお気に入りの青はページを何枚も使って、少しずつ配合を変えた色見本を作っていますよ。
これ、最初は面倒くさいと思ってたんですけど、やってみると意外と楽しいんですよね。自分だけの「青のカタログ」ができていく感じがします。
光の条件による見え方の違い
同じ青でも、光の条件によって見え方が大きく変わります。自然光と蛍光灯では色の見え方が異なるので、作品を展示する予定の環境に近い光の下で色を確認するのが理想的です。
また、青は特に周囲の色の影響を受けやすい色です。同じ青でも、オレンジの隣に置くと鮮やかに見え、似た青の隣では差が目立ちにくくなります。
展覧会の準備をしていたとき、アトリエで完璧だと思った青が、展示会場の照明の下では全然違って見えてしまったことがあります。それ以来、いろんな光の下で確認する習慣がつきましたね。
まとめ:自分だけの青を見つける楽しさ
絵の具で青を作る方法をいろいろご紹介してきましたが、いかがでしたか?青は基本色でありながら、その表現方法は無限にあります。空の青、海の青、夜の青、それぞれに適した青を作り分けられるようになると、絵の表現力がグッと高まりますよ。
基本的な方法としては:
・緑と紫を混ぜる
・シアンとマゼンタを組み合わせる
・既存の青に他の色を少量加えてニュアンスを調整する
といった方法があります。
絵の具の種類や、作りたい青の色相によっても方法は変わってきますので、ぜひいろいろ試してみてください。失敗を恐れずに実験することで、思いがけない素敵な青に出会えるかもしれません。
色を混ぜる作業って、ある意味で錬金術みたいなところがあって、とても創造的で楽しいものです。自分だけの「お気に入りの青」を見つける旅を楽しんでくださいね!
最後に、色の調合に正解はありません。同じ青でも、人によって感じ方や表現したいイメージは異なります。大切なのは、自分の感性を信じて、表現したいイメージに合った青を探求し続けることではないでしょうか。あなただけの素敵な青が見つかりますように!